テシャールコンボ考察 1 基本セット2020スタンダード環境
2019年8月初旬。
イクサラン、ドミナリア、基本セット2019が
スタンダードリーガルから落ちるまで2か月を
切った。今の環境が遊べるのも残り2か月と
いうことになる。
今回の記事の発端は6月初旬、ツイッターの
フォロワーの方のツイートだった。
「これ勝ち筋なに?」あるデッキにの構築に
対しての感想。確かにその通りと私も思った。
しかしよくよく見ると如何わしいカードが
多数積み込まれている。そう、これが
テシャールコンボとの出会いだった。
基本セット2020が発売される前にイゼ速の記事
にも取り上げられていたため、名前だけは聞い
たことあるという方も多いだろう。
テシャールコンボは没頭するには十分な深さと
自由枠の少ない構築の中にもプレイによって
変容する勝利へのルートの多さ。このあたりが
まさに「MTGしてるっ!」感を感じられる
とても良いデッキだ。
今回は2か月間テシャールコンボを使い続けて
学んだ基本的な構成と立ち回り、そして環境を
通してたどり着いた答えの1つを2つに分けて
記事にしたいと思う。
<直近の成績>
7月17日 3-0
7月19日 2-1
7月24日 2-1
8月1日 3-0
8月2日 3-0
<直近のデッキ構成>
■土地23
神無き祭殿3
神聖なる泉4
湿った墓4
水没した地下墓地4
氷河の城塞4
平地1
沼1
島2
■クリーチャー26
迷い子、フブルプス4
万面相、ラザーヴ4
精励する発掘者4
ギックスの信奉者、ローナ4
庁舎の歩哨4
祖神の使徒、テシャール4
遺跡の回収者2
■スペル11
時を解す者、テフェリー4
モックス・アンバー4
神秘を操る者、ジェイス1
骨への血2
文字通りテシャールを軸に置いたコンボデッキだ。
戦場に【祖神の使徒、テシャール】があり、
墓地に【遺跡の回収者】がある状態で、
手札から【庁舎の歩哨】を唱えることでループを
起こす。
ここに「唱える」「場に出る」「死亡する」たび
に誘発する効果をもつ何かを足すとその効果も
ループする。これにより勝利を目指すデッキだ。
テシャールの効果でリアニメイトを目指す観点
からも【精励する発掘者】との相性が非常に
良くデッキを構成する上で白・青という色が
確定する。
■動き方
上記でも説明した戦場、墓地、手札が揃っている
とする。そこに【精励する発掘者】が場に出たと
しよう。※以下発掘者
① 庁舎の歩哨キャスト
② 発掘者とテシャールの効果誘発
③ 発掘者効果対象→対戦相手
④ テシャール効果対象→墓地の回収者
⑤ 効果解決→対戦相手2LO、回収者を戻す
⑥ キャスト解決→状況起因で庁舎の歩哨死亡
⑦ 回収者起動効果→庁舎の歩哨を手札に戻す
⑧ ①に戻る。
これが繰り返されることにより相手のデッキを
すべて墓地に落とす。これがテシャールコンボ
の基本的な動きになる。コンボデッキの弱点は
・コンボパーツが揃わない
・コンボ完成まで基本マグロ
などがあるが、このデッキの素晴らしいところは
コンボパーツの代用が利くという点と、デッキの
ほとんどがクリーチャーで構成されるという点だ。
■パーツの代用
<戦場に必要なカード>
唯一無二の効果を持つテシャール。これの代用は
万面相ラザーヴによって可能となる。ラザーヴは
墓地クリーチャーの効果をコピーする起動効果を
もつ。そのためテシャールが墓地に落ちても、
ラザーヴがあればコンボを成立させることが可能。
またLOのために必要な発掘者もコピーできるため
実質的にはテシャールも発掘者も8枚体制のよう
なものなのだ。
<墓地に必要なカード>
次に墓地に落としておく必要のある回収者。
これはギックスの信奉者、ローナによって可能。
場か墓地にローナが2枚以上ある状態になれば
レジェンダリールールの状況起因を利用し、
ループが可能となるのだ。しかもローナでの
ループの場合、手札に0マナアーティファクトが
なくても、自身の効果で追放した墓地の0マナ
アーティファクトを追放領域から唱えることで
ループが発生するので、手札管理もやり易い。
<0マナアーティファクト>
庁舎の歩哨をX=0で唱えることで、ループの
トリガーとなる「歴史的呪文を唱えたとき」を
達成する。そのため庁舎の歩哨が唱えられる
状況を作る必要がある。
これの代用はモックス・アンバーだ。
0マナアーティファクトでもあり、マナ加速も
できる。そして場と墓地に合わせて2枚以上の
モックスアンバーがあれば、レジェンダリー
ルールによる状況起因を利用してループが可能
となるのだ。
<パーツ集めの更なる応用>
テシャールの効果は何もループのためだけに
存在するわけではない。パーツを集めるため
にも使うことができる。
例えば
場→テシャール
墓地→ローナ、回収者、発掘者、庁舎の歩哨
手札→フブルプス
これはループ可能状態だ。上記で説明した条件
は満たしていないが、同じ状態にすることが
できる。
① フブルプスをキャスト
② テシャール効果誘発→ローナを対象
③ 解決後ローナ効果誘発→庁舎の歩哨追放
④ 庁舎の歩哨キャスト
⑤ テシャール効果通初→回収者を対象
⑥ 解決後状況起因で庁舎の歩哨死亡
⑦ 回収者の起動効果で庁舎の歩哨回収
⑧ ④に戻ってループ開始
自分のライブラリーを墓地に落とすことで
実際にはパーツがきれいに揃っていなくても
ループに入ることができるし、パーツの代用
も利くことがこのデッキの強みだ。
■マグロ状態対策
基本的にコンボデッキはマグロになることが
多い。しかしテシャールコンボはクリーチャー
が多いことと、クリーチャーが墓地にあっても
機能することからチャンプブロックしても
ディスアドバンテージになりにくい。
またテシャールの効果でリアニメイトしたり、
ローナの効果で墓地のクリーチャーをキャスト
することもできる。色々と再活用の方法がある
のだ。
■マリガンキープ基準
基本的に【精励する発掘者】が初手にあるか。が
一番わかりやすいキープ基準となる。
【精励する発掘者】はこのデッキのエンジンで
もあり、エンドカードとなる。2ターン目に着地
させ、3ターン目以降に歴史的な呪文を唱えていく
のが望ましい。
・土地2
・精励する発掘者1
・モックス・アンバー1
が揃っていれば文句なく合格点と言える。
その他合格点の手札としてはフブルプスや
ラザーヴといった「デッキを掘るカード」が
あるか。と、テフェリーがあるか、だ。
唯一コンボに直接関係しないテフェリーだが、
皆様ご承知の通り、現スタンダード環境の
最も害悪カード。このカードは1枚で効果が
完結しており、マイナス効果はコンボの促進
にも、時間を稼ぐこともできる万能カードだ。
マッチの1戦目では相手がどういったデッキ
なのかわからない分、テフェリーがあると
色々と問題を解決してくれる可能性がある。
次回は現行の環境に対しての考察と、現在の
サイドボードについて紹介させてもらいたい。